2013年5月22日水曜日

交通事故後の症状

むち打ち症、骨折、捻挫、打撲、腰痛、手足の障害、 めまい、痛み、しびれ、だるさ、不快感等
交通事故が原因の痛みは長引いたり、後から症状が 出たりしますので軽く考えないでください。
どんな小さな事故でも身体には相当の衝撃が加わっています。
後遺症にならないように、しっかりとした早期の治療をお勧めします。
「事故に遭ったけど何ともなかったよ」 と言う方がたまにいらっしゃいますが、
何ともないと言うことはありません!!
一刻も早く病院や整骨院などの医療機関に行くことをお勧めいたします。


交通事故で特に多い症状 「むち打ち」 について


 「むち打ち症」とはどんな傷害か?
 交通事故による外傷は、主に打ち身・捻挫・骨折・頭部外傷などがあります。
その中で、もっとも代表的な傷害で賠償上の問題を多く含むのが今回の「むち打ち(損傷)症」です。
これは、正式な診断名ではなく俗称です。
通常は「外傷性頚部症候群」あるいは、軽いものでは「頚部捻挫」という診断名になります。

 衝突時、首が前後にムチのようにしなることからそう呼ばれるようになったようですが、もともとは自動車が出てくる以前からあり、「Whiplash:むちひも」と呼ばれていました。
乗馬で、馬の尻にムチを当てると馬が驚いて前に飛び出し、そのとき頭が後ろに放り出されてその後首の痛みが続くということから起こったようです。


 「むち打ち症」の起こり方
 「むち打ち症」の起こり方(発現機序)は、大きく分けて正面衝突、側面衝突、追突によるものとがあります。
人間の首(頚部)の動き(正常範囲)は、一般的に前後方向ともに60°程度とされています。
その運動範囲を超えて、それ以上に伸びたり(伸展)屈めたり(屈曲)した場合、首の周辺の組織(軟部組織・・骨を囲んでいる靭帯など)が伸びたり切れたりして症状がでるのです。
その中でも、もっともなり易いのが、後方より衝突された「追突」によるもので、全体の90%を占めるといわれています。

 正面衝突の場合は、首はまず前に強く曲げられ(屈曲)、その後伸展することになることや一般的に危険を予知出来る場合が多いので、首の筋肉が緊張状態になり、伸展や屈曲を筋肉の力で減らすことが出来ることから比較的軽度で済みます。

 それに比べて追突の場合は、まず先に後ろへ強く伸展し、その次に屈曲することになります。
それと、全く危険予知していないことが多いので、首の筋肉は弛緩していて、軟部組織(靭帯)のみに過大な力が加わって、損傷が起こり易くなるのです。
また、必ずしもそのような過伸展・過屈曲(注1)がなく振れは小さくても、衝撃が大きければ起こりうるとも言われています。
(追突の場合)
 次に、側面に衝突された(側突)場合は、首は先に衝突を受けた側に強く曲げれれ、次に反対側に動きます。
側突の場合は、頭、頸が肩に当たるまで側屈しますが、それ以上は曲がりません。
この場合、角度によっては複雑で多彩な損傷を受けることになりますが、重度になると引抜き損傷といって、脊髄神経が引抜かれてしまうことがあります。
(側突の場合)
自動車が側面から衝突を受けると、乗員の体は衝突受けた方向に強く曲げられ、次に反対側に動きます。
(注1)
過伸展・過屈曲:正常な可動範囲を超えて伸展、屈曲が起こることをいう。

 これらは何も交通事故に限ったわけではなく、同じような運動が起これば、日常の社会生活の中でも発生します。
例えば、けんか、運動競技、転倒、転落などでも起こりえます。


 「むち打ち症」の分類

 「むち打ち症」とは、その起こり方をさすものですが、その病態から一般的には次のように分けられています(後になるほど重症)。
「頚椎捻挫型」

 むち打ち症の中で最も多く、70%を占めるといわれています。
頚椎の骨と骨の間にある関節包や骨の周囲にある靭帯などが損傷されたものです。
足首などを捻挫した時に内出血が見られるが、それと同じ様なことが首の周りに起こっていると見なされるもの(推定診断)です。

「バレー・リュー症候群型」

 後頚部交感神経の刺激症状として、内耳の症状や目の症状、心臓の症状、咽喉頭部の症状などを呈するが、耳鼻科、眼科、内科などの他覚的(客観的)所見は乏しく、自覚的愁訴が主となります。

「神経根症状型」

 脊髄の運動神経と知覚神経が集まっているところを「神経根」と呼びます。
この神経根の周りに腫れが起こったり、引抜きのような損傷が起こると、それぞれの神経がコントロールしている部位に症状があらわれます。
神経学的検査などにより、他覚的所見が認められます。



「低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症)」

最近提唱され始めた見解で病態はまだよく解明されていません。
脳脊髄液 が減少することで頚部痛、慢性的な頭痛、嘔気、めまい、倦怠、視力障害、思考力や記憶力低下など様々な症状が出現するというもので、軽微な事故の原因不明なものにはこの症例が含まれているのではないかと言われています。
最近では文部科学省が髄液漏れの存在について、幼稚園から大学までの学校現場に広く周知することを決めています。

詳しいことはネットで同名の検索すれば多くの解説が出ていますのでお確かめ下さい。



 「むち打ち症」の症状

 
「むち打ち症」の症状には個人差があり、事故状況、被害者の体質・年齢などによっても違ってきます。
事故直後は、脳震盪の症状として短時間の意識障害を起こすことがあります。
 また、重症の場合は、脊髄の周りの腫れや内出血により手足が麻痺したり失禁したりすることがありますが、その場合、進行の状況によっては手術の必要も考えられます。
それ以外については、症状を大別すると次のようになります。
 (1)頚部の捻挫を主とする症状

 頚部の筋肉や靭帯、関節包の損傷によるものです。
脊髄に損傷がなく、強い自律神経失調症状やはっきりした神経根症状もみられない、主として頭痛、頚部の疼痛、頚項部筋肉の圧痛、頚部の運動運動制限を中心としたものです。
 (2)神経根の障害を主とする症状

 神経根に腫れや引き抜き損傷がおこると、それを支配しているところの領域に症状がでます。
上位頚椎の場合は大後頭神経支配領域の放散痛及び神経の圧痛、下位の場合は首から肩、腕にかけての放散痛、しびれ感、上肢の筋力低下、筋萎縮、運動及び知覚障害などが起こります。
ジャクソンテスト、スパーリングテストなどと呼ばれる神経学的検査によって、他覚(客観的)所見や皮膚の知覚部位と一致する障害、腱反射の異常などで診断されます。


 
(3)自律神経の障害を主とする症状

 椎骨脳底動脈の血行不全により、その支配下の視床下部、脳幹部の血流減少により、首や肩の症状は強くなく、「頭痛、頭重、眼精疲労、耳鳴り、難聴、めまい、、声のかすれ、記憶や集中力の低下」内臓の症状として「食欲減退、消化不良、吐き気」などの胃腸障害がみられます。


(4)髄液圧の低下による症状
2000年ごろから知られるようになった「低髄液圧症候群」といわれるもので、鞭打ち症などの外傷により髄液が漏れ、髄液圧が低下することで、頭痛、はきけ、めまい、脱力感、集中力・思考力の低下、視力障害など種々の症状がみられます。


 「むち打ち症」の検査

 
問診により、事故状況や症状を聴いたり、頚部の運動性や運動痛の有無や圧痛点などを診察します。
神経学的検査として、スパーリングテスト、ジャクソンテストなどや反射検査、知覚検査などを行ないます。
単純レントゲン撮影が主ですが、症状によってはMRIやCTスキャン等も必要とされる場合があります。

 「むち打ち症」の治療

 「むち打ち症」の治療は、受傷からの時間的経過により、急性期、亜急性期、慢性期に分けて行うのが一般的です。
主として「むち打ち症」の70パーセントを占めるといわれる「頚椎捻挫」を中心に述べることとします。
(1)急性期(受傷~1ヶ月)

 たんてきに言えば、切り傷など出血が止まり、傷口が塞がるまでの期間(組織が瘢痕かする期間)は3週間といわれているが、他の外傷も同じです。
程度にもよるが、ゆとりをもって受傷時から1ヶ月程度と考えられます。

頚部の安静と固定。

 初期の安静は重要とされ、後遺症を左右するとも言われます。
入院については、頚椎捻挫には必要ないとするのが一般的です。
ただ、神経根症状、知覚障害、麻痺などがはっきりしている場合 は、急性期期間程度の入院が必要とされます。
固定は、ギプスやカラーなどによるものがほとんどです。
固定期間が長くなると、筋肉の拘縮や萎縮などにより心理的にも良くないとされます。
他は局所の湿布処置、内服薬は消炎鎮痛剤、筋弛緩剤、精神安定剤、ビタミン剤などです。


(2)亜急性期(1~3ヶ月)


 組織の瘢痕を経て周囲とほとんんど同じ柔軟性をとりもどし修復が終わるのに8週といわれています。
つまり2ヶ月であるが、それに急性期に1ヶ月固定されると頚椎の可動が低下するので、その回復も含めて機能的に修復完了する期間を受傷後3ヶ月と見たものです。
それ以降を「慢性期」とされます。

 亜急性期の治療は、運動、温熱、牽引といった物理療法が中心となります。
固定により弱化した頚部の筋肉を強化し、頚部の運動性の回復を図るものです。
運動療法は、自動運動や筋力強化により、頸の筋肉を伸ばしたり縮めたりすることや固定により弱くなった筋肉を強化し、運動性の回復と血液の循環を改善するのが目的です。

 温熱療法としては、ホットパック、赤外線、マイクロウエーブ(極超短波)、低周波等があります。
牽引は筋緊張が強い時は禁忌とされている。
内服は循環促進剤、各種ビタミン剤などによります。
神経根症状を呈する場合は、亜急性期から慢性期にさしかかる頃、大後頭神経ブロックや自律神経失調症状に対しての、星状神経ブロックなどが行われます。
(3)慢性期(3ヶ月以降)

 薬物は必要最少限にとどめ依存を断ち切る必要があり、神経根症状や自律失調症状には神経ブロックなどを10回をめどに行います。
神経根型の場合は、脊髄の造影と椎間板造影、筋電図などの諸検査をもとに手術療法も考えられます。
その他に後療法として、整骨、ハリ、マッサージ、心理療法(日本ではその必要性は言われてもほとんど行なわれていない)などがあります。

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