2013年6月2日日曜日

交通事故の精神健康への影響

交通事故の精神健康への影響、うつ病とPTSD

交通事故重傷者のおよそ3割が、約1ヵ月後にうつ病やPTSDなどの精神疾患を発症します。

交通事故で重傷を負うことは、いつどこでも起こりうる「つらい出来事」です。
北米の調査によると、4人に1人は生涯で一度は交通事故を経験すると言われています。
警察庁平成20年統計によると、交通事故死亡者数は5,155人で昭和28年以来54年振りに5千人台となった前年を更に下回りました。
交通事故負傷者数は950,659人で10年ぶりに100万人を下回りましたが、交通事故をめぐる悲しい出来事が跡を絶つことはありません。
救急医療の発展により、重傷患者の生存率が向上する一方、後遺障害を抱えながらリハビリを続けている人は増えています。
近年、ようやく交通事故を「つらい出来事」として捉えた研究が行われ、西洋諸国における交通外傷後の精神健康の実態が報告されるようになりました。
わが国でも、2つの実態調査が行われましたので、筆者らの研究を紹介します。
 
 
筆者らは、交通事故で重傷を負い、高度救命救急センター搬送された患者に、搬送の24時間後から精神科医が面接し、18歳~69歳までの連続する100人の状態を追跡しました(頭部にダメージのある人や、以前から精神疾患のある人らは対象から除きました)。
その結果、4~6週目の診断で31人が何らかの精神疾患を発症していました。
その内訳は、31人中16人が「大うつ病」(重度のうつ)、7人が「小うつ病」(軽度のうつ)、8人がPTSD(外傷後ストレス障害)でした。うつ病とPTSDは相互に合併している例が多く認められました。
詳しい分析の結果、事故時に生命への脅威を感じた人、恐怖の記憶が強かった人、入院時の心拍数が高かった人ほど、精神疾患を発症しやすい傾向にありました。
 救急医療の現場では命を救うことが最優先ですが、精神疾患を発症すると怪我の回復やリハビリ、社会復帰にも影響しかねません。
事故後に精神健康を害する危険があると思われる人を早く見つけ、うつ病やPTSDの発症を予防することは、本人や家族のためはもちろん、社会的にも重要です。
近年、交通事故重傷者のPTSD発症予防を目的にした認知療法とβ遮断薬による薬物療法の有効性が報告されていますが、我が国ではまだ検証されていません。
今後は、精神疾患の発症を予防することを目的にした研究や、事故後の精神疾患が、怪我の回復やリハビリにどう影響するかの研究も期待されます。
 先に示した数字からもお分かりのように、およそ7割の人は交通事故という「つらい出来事」を体験しても精神疾患を発症しません。
こうした人々が精神健康を保っている理由についてはまだよく分かっていないので、これも今後の研究課題だと思われます。
筆者らは、精神疾患を発症した重傷者の3割の人たちに、精神科や心療内科を受診するようアドバイスしましたが、多くの方が受診されませんでした。
事故の後、気分がふさぐ、意欲が低下する、眠れない、恐怖記憶が突然蘇る、事故現場に近寄れない、イライラする、物音でドキッとする、などの症状で悩んでいる。
 
心と体は一つです。
 
体にすごい衝撃を受けると心にもすごい衝撃を受けたのと同じです。
 
心の嫌な記憶が体にも影響を与えます。
 
なので早期回復には心と体が一つであるという認識の下でしっかりと治療をしていく必要があります。
当院では体と心を同時にアプローチする交通事故治療が得意です。
 
他院ではまねできない施術スタイルで、当院のオリジナル施術で何人の方にも喜ばれています。
 
もし、交通事故後のお体のことでお悩みならぜひ一度当院へご相談ください。
 

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